ハンコ

医院

某元市長の会計責任者が 10年以上前に辞めていたのに 会計報告書の
署名、捺印がその人のまま偽造された疑いのニュースから思い出した
昔話を書きます。

40年近く経ちますが、学生時代に とある病院の外来で雑用のアルバイトを
しました。その頃から院外処方箋は存在し、医師の署名または記名・押印が
必要なのも変わっていません。色々断片的な中、強烈に記憶しているのが
私が担当させていただいた医師が出す処方箋の印影がのっぺらぼうの
ただの点だった事です。削れたのか削ったのか詳細はわかりませんが
朱肉色の5ミリ前後くらいの ただの点・・・なので当然?薬局から
疑義照会があり、間違いなく先生のハンコなのか・・・門前薬局さんは
毎回の事なので先生のハンコなのは わかりきっているんだけど問い合わせ
ざるを得ず・・・先生いわく どこでも手に入るようなハンコではなく
唯一無二のハンコでなくては意味がないというような事をおっしゃっていたと
記憶しております。
確かに医師の責任が生じる処方箋に誰でも手に入れられて押せるような
ハンコを使うのは問題あると思います(実際は多くの場面で事務が先生の
印を押すことはある、預けっぱなしのような状態)正しい。一枚一枚に
署名している余裕もない。でもでも買う、作ろうと思えばオリジナルを
いくらでも作れるだろうに 点になっているそれを押し続ける意図が
小童だった私には???過ぎて 今も昔も指示を受ける側の自分の立場
からして『不毛なやりとり薬剤師さん大変過ぎ・・・困らせてどーすんの』
と思っていました。記名・押印の印影が氏、名等鮮明に確認できるものとか
木彫りに限る!とか決まりごとの記載はなく点はダメとも書いてない。
所謂 一般常識に照らして・・みたいな事には先生は一瞥もなく・・
いい歳になった今では「私が彫ってつくりましょうか!笑」くらい言って
せめて名字のいち字くらい判読できるものを彫って唯一無二にしたり
できたかな・・(たぶん そういうことではない)
どうすれば丸くおさまったのだろうと(おさめようとしてはいけないのかも)
今も正解がわかりません。体裁が整っていれば良い 偽造してもバレなければ
いい そうなってはいけないんだと思います。法や便覧に書いていないことは
どうとでも解釈できる曖昧さがある限り 処方する責任とはどういうものか
おおげさな話、国民や厚労省、医療界が明解にしておくべき内容ではないでしょうか。
(世界の処方の仕方と違う面も含め)以来 流れ作業的に常識といわれるものに
疑問を持たずに働くのはやめようと思ってきました。
某大学名誉教授になられた先生、当時は短いバイトだったのにお食事にも
連れて行ってくださいました。これからもお元気でご活躍をお祈り申し上げて
おります。

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